当寺で御崇敬が執り行われたのは45年ぶり。
この地域の浄土真宗の寺においては、まさに一大行事。
前住職の父は5年くらい前から、5年後はうちで御崇敬だ、4年後はうちで御崇敬だ
と、事あるごとに門徒さんに言っていましたね。
他のお寺さんで御崇敬が行われるときには、参考にするために、内陣の様子や、
運営方法等を見学していたものです。
私としては、そのころから漠然とした不安しかありませんでした。
そして、コロナです。
令和元年に西照寺さんで御崇敬が行われたのを最後に、令和2、3、4年と中止を
余儀なくされました。令和2年を担当するお寺さんは3年に延期するということが
認めれていないので中止となるのです。
正直に言うと、令和5年もコロナを理由に中止となれば、私自身は気が楽になるな
と思っていました。しかし、コロナも5類に移行し、各種大規模イベントが行われる
ようになると、コロナを理由にする訳にはいきません。
さらに、父に聞くと、「御崇敬をしたい」という言葉が返ってきました。
ならば、やるしかない!!
5月または6月が通常のところ、準備から9月末ごろと決めて準備開始。
それは大変でした。普段、金沢で司法書士事務所をしている中での準備。
住職になったばかりの私は、門徒さんにご協力をお願いする心苦しさが付きまといました。
法話者さんへの依頼、鹿島組北六カ寺の住職さんとの打ち合わせ。
鹿島組、島崎山組、鳳珠組のお寺さんへの挨拶。
ポスター、パンフレット作成、記念品の準備等々。
臨時駐車場の整備、御堂の片付け等々。
秋開催ということは夏に準備。そして今年の酷暑。
ご消息拝読、声明の練習。
これらが宿寺側の苦労と言えば苦労ですかね?
でもね、やってよかったと今は本当に思っています。
門徒さんたちが力を貸してくださる様子を目の当たりできたこと。
こうやって、うちの寺は支えられてきたことを実感できたこと。
苦労したからこそ感じられるということもあるものです。
そうそう、あと、黙々と準備する中で、自分に向き合う時間が持てたことも
大きいですね。色々考えました。自然と。
仏教って何だろう?親鸞さんの教えって何だろう?寺って何だろう?
住職って何だろう?門徒さんて何だろう?
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