住職ブログ

葬儀はその人の人生に対する最大の敬意

二日前の日曜日、檀家さんの月命日のお取次ぎから寺に戻ると、

「お葬式ができたよ、すぐに枕経に来てほしいと」と、前坊守。

人が亡くなると、おそらく最近は病院で亡くなることが多いので、家に帰ってから

枕経をあげます。

今回は、家に戻らずセレモニーホールに直接お運びになるということで、そちらへ。

この機会に、ご家族、葬儀屋さんと通夜、葬儀の日程調整をします。生前に法名を

受けているかの確認をします。受けていなければ住職がつけます。

私も既に月曜日、火曜日の司法書士事務所の予定を確認済み。

通常、通夜は翌日夕方、葬儀は翌々日の午前。

通夜の前に納棺があります。生前にしていなければ、この機会におかみそりを

します。おかみそりは仏弟子になる儀式です。

少し時間があって、夕方から通夜。正信偈六首引、法話、御文章拝読。

翌日は葬儀。

場数も増えてきて一連の流れについては、おおよそ慣れてきましたが、一つだけ

苦手意識がぬぐえません。それは七条袈裟の着付けです。

七条袈裟は正式な礼装で、葬儀に着用します。

写真の袈裟を体に巻き付けるようなイメージです。

この七条袈裟、普通、一人で着れないんです。

ふげんをしていただく僧侶がいると手伝ってもらったり。

慣れた方だったりすると着付けてくださいます。

上手に着付けてもらえると、動いてもずれません。

逆に、わちゃわちゃだと、ずり落ちないかとか気になって、他の所作に悪影響がでます。

今回は、一人だったので、葬儀の1時間も前にセレモニーホールへ。

スタッフの方に手伝って頂いて、着ることができました。

その紐を肩からこちらに。その4本の紐をこちらに。そんな感じで。

時間に余裕があったからか、意外と綺麗に着ることができました。他の所作も安心。

以前、慣れた先輩僧侶にふげんをして頂いた際に、

「家族葬が増えて、僧侶一人で葬儀をすることが増えました。セレモニーホール

の方に聞くと、七条袈裟ではなく、五条袈裟でされる僧侶さんが多くなってますよ」

という話をしたことがありました。

その方は、それは間違っています、とピシャリ。

葬儀というのは、亡くなった方を見送る大切な儀式です。その方の人生に最大の

敬意を払うためには、こちらも正式な礼装である七条を着けるべきです。それは

家族葬であっても、大きな一般葬でも変わらないはずです、と。

私は、この亡くなった方の「人生に最大の敬意」という言葉に衝撃を受けました。

なるほど、その通りだなって。

それからは、葬儀を執り行うという意識が変わった気がします。

前夜は危ないなと思ったらマスクをして寝ます。声がでないと嫌だから。

七条袈裟も綺麗に着たい。本山のホームページで着付けの動画をチェックします。

 

 

 

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